10/26(土)27(日)、「あそびばせんだい 榴岡公園・榴ケ岡市民センター会場」を実施しました!
榴岡公園の遊具がある広場「子ども広場」周辺を拠点にプレーパークを開きました。また、榴ケ岡市民センター2階の体育館も、屋内の遊び場として開放しました。
両日ともお天気に恵まれ、多くの方々にご参加いただきました。
「あそびばせんだい」をめがけて来られた方々だけでなく、他のイベントに参加する方、普段から公園を利用している方、通り抜けていく方など、様々な方に子どもが遊ぶ姿を見ていただけました。
身近な公園の、ありふれた素材で。普段は通り過ぎてしまうような場所で。豊かな遊びの世界が作れることをお伝えしようと展開しました。
子どもが自由に遊ぶ姿から、たくさんのことを感じて、考えてもらえたのではないかと思います。
榴岡公園会場では、会場内の木の実や落ち葉を使って様々な遊びが生み出されていました。
おままごと、転がして遊ぶ、コマをつくる、並べる、投げる、割ってみる…
言葉にしてしまえば「同じ遊び」をしている子もいたでしょう。
しかし、他の人から見たら「同じ遊び」も、すべて異なる「その子の遊び」です。
一人ひとりが始め、広げた世界が作られています。
それぞれの見ている世界、それぞれの個性が大事にされる。
その子の遊びが大事にされるって、そういうことだと思っています。
落ち葉を集めての遊びも展開されました。
遊び素材として認識していなかったものを「遊べる」と知る。
それによって、「あれも遊べる」「これも遊べるかもしれない」という意識が生まれる。
「あそび」に触れることで、自分の中の遊び心が目覚める。
今までと世界が違って見えてくる。
足を踏み込もうとも思わなかった「ただの斜面」が遊び場に。
もっと滑るように、と改良を重ね続けた結果、予想以上に滑る…!
スピードが出すぎてけがをするかもしれない。
遊んでいる子ども同士がぶつかるかもしれない。
方向がズレて木の方に行くかもしれない。
プレーリーダーたちは、あれこれ考えを巡らせ、遊びの「熱」を冷まし過ぎないように気を付けながら、受け止める場所に移動したり、声掛けしたり…。
内心ひやひやしながら、それでも面白がりつつ、見守っていました。
宮城野区公園課さんに特別に許可をいただいて、地面にチョークでお絵描き。
自転車で通る方も多かったのですが、子どもが地面で何かやっているな…と気づき、自転車を降りて押して歩いていく方がたくさんいらっしゃいました。
「速度を緩める」「自転車を降りる」という、自分(自転車)のリズムを相手(遊んでいる子ども)に合わせるという動き。
ささいなことかもしれません。危ないんだから当たり前だという方もいるかもしれません。
でも、「お互いを大事にする」って、こういうことじゃないでしょうか。
ここを通りたい。ここで遊びたい。遊ぶ人は少し場所を寄る。通る人は少しゆっくり通る。
「ここはダメ」と排除するのではなく、共存するために考える。
「遊び」と「遊び」でも同じこと。
「人」と「人」でも、同じこと。
チョークでお絵描き、最後はお掃除。
水を汲んで来て、デッキブラシでこすります。
僕もやりたい、私もやりたい…と、道具が空くのを待つ子が出るほどの人気。
汗をかきながらチョークを消している子に「よく働くねえ」と声を掛けたら「楽しいからね!」と返事が返ってきました。
楽しいから、面白いから、好きだから、やる。
「誰かのためになる」のは、結果。
こちらも許可をいただいて設置した手作りのロープ遊具。様々な年齢の子がそれぞれの遊び方で遊んでいました。「初めまして」だった子たちが、一緒に遊んでいるうちに仲良くなる様子も見られました。
遊具を「作れる」ということが驚き、という方もたくさんいました。
身の回りの環境を作り変えられる、ということを知る機会、なかなかないのかもしれません。
今ある環境を「もっとよく」を目指して、自分たちで「変えられる」ことを知る。
遊び場に限らない、社会全体に通じる大切な感覚。
こちらは市民センター内の遊び場の様子。
段ボールを使った工作。作ったものでそのまま遊ぶ!
「ここは○○する場所」と区切られていないから、発想も広がります。
思いついて、形にして、試せる。
あたらしいスポーツを作り出して遊ぶ。
「正しい使い方」に縛られない。
正しく使っても、もちろん面白い。
でも、「自分(たち)で作り出した!」の気持ちがもっと面白く感じさせる。
なんだかごちゃごちゃして見えます。
でも、実はこのごちゃごちゃが遊びを生み出す大きな助けになっているのです。
他の子が遊んでいるあそびが見える。
視界に入る素材が「いいこと思いついた!」を誘い出す。
うっかり遊びが混ざって、ミラクルな面白さと遊び仲間が生まれる。
遊びが生まれやすいごちゃごちゃを大切にしながら、ケガにつながってしまうようなごちゃごちゃはスッキリさせる。
誰かと一緒に遊んだり、ウロウロしたり、自分の遊びを始めたりしながら、場の様子を見てプレーリーダーが環境を整えています。
小さな子が外でゆっくり過ごせるように、腰を下ろせるスペースを作りました。
歩けない子でも、外に居るだけで光・風・音など、様々な刺激を感じます。
手に触れるものも、自然素材はガサガサ・フワフワ、ちくちく・ふにゃふにゃ、ツルツル・ザラザラなど多様です。
鬼ごっこや工作はできなくても、たくさんのことを感じることが「あそび」です。
五感をたくさん使って育っていきます。
お母さん・お父さんがお外の心地よさを感じながらゆっくりできる、というのも大事です。
会場内にはいろいろな掲示物も設置しました。
熱心に読んでくださる方も多く、子どもが「あそぶ」ことに心を寄せる大人が増えるきっかけになれたのではないかと思います。
「あそびばせんだい」が、この日限りのイベントで終わらず、日常にもつながるものとなるように、情報・メッセージの発信や、地域での子どもの遊び環境づくりのサポートを続けていきたいと思います。
(しんぞー)
「あそびばせんだい」に関してはこちらをご覧ください。
「深沼海水浴場会場」「泉ヶ岳会場」の報告も掲載しています。
※本事業は認定NPO法人 冒険あそび場ーせんだい・みやぎネットワークを代表構成員、NPO法人都市デザインワークス、一般社団法人プレーワーカーズを構成員とする共同事業体「せんだい遊びとまちネットワーク」が、令和6年度仙台市遊び場展開事業として実施しております。