4月25日に『久保田東あそび場』を開催したときのこと。
この日、いちばん初めに遊びに来た子どもたちが、「朝、小学校に向かう途中でチョウが飛んでいるところを見つけた」と教えてくれたので、それじゃあ捕まえようぜという話になりました。
まずは遊びの素材をたくさん積んだ車『プレーカー』の車内をゴソゴソ物色。
魚を釣るときに使うタモ網が見つかったので、これでもなんとか捕まえられるだろうと、片手に持って子どもたちは駆け出していきました。
あそび場を開催した久保田東3号公園は、仙台平野に広がるのどかな田園を臨む住宅地を取り囲むように広がっています。この地区は、東日本大地震で被災した沿岸部の方々が集団移転して、新しく生まれたまちでもあります。
プレーカーを駐車していた遊具のあるエリアを飛び出して、すこし離れた草地にたどり着いた子どもたち。苦手なカエルにおびえたりもしながら、チョウを3匹捕まえたのでした。
虫カゴがわりのペットボトルにチョウを入れて、感慨深げに眺めていた子どもが、ボソッと「タンポポを食べさせてあげよう」と一言。道端に生えていたのを一輪ちぎってペットボトルに入れました。
さて、プレーカーのところに戻ろうと歩き始めたとき、道ばたのあずまやにおばあさんとおじいさんが座ってこちらを見ていました。あいさつをしてチョウとタンポポを見せたところ、顔をほころばせて小分けパック入りの煎餅を子どもたちにくれたのでした。
チョウの恩返し、というわけではないでしょうが、遊ぶ子どもたちの姿がおじいさんたちの心をほっこりさせ、可愛がりたい気持ちにさせたのかなと感じました。
自由に遊べる環境は、たとえばこんなかたちで子どもと大人をつなぎ、支え合って生きていくきっかけをつくります。
生まれて間もないこのまちでは、これからも大切な役割を果たしていくと思います。
(三浦めん)
*この活動は東日本大震災復興支援財団「子どもサポート基金」の助成を受けて冒険あそび場ネットが実施しました。