夏です。夏の定番の遊びといえば、水遊びです。
これは、かつてあった水遊びに関するお話。
ある夏、街中の公園での遊び場を開催していました。
その日も暑く、私は小学校高学年男子数人と盛大に水をかけ合って水遊びをしていました。
途中、私がトイレに行って帰って来ると、さっきまで盛り上がっていた子どもたちがなんだかしょぼんとしています。
「散歩で近くを通ったおじさんに『水がもったいない』と言われた」とのこと。
子どもからは、「『じゃあ、おじさんは子どものころどんな水遊びをしてたんですか』って言ってやればよかった」という言葉が出てきました。
私も地域の大人の皆さんに「子どもの頃は何をして遊んでましたか?」という質問をすることがあります。
これは、単純にこの地域ではどのような環境があり、どのような遊びが展開されていたのかという興味と、自分の子どものころを思い出してもらうことで、遊ぶということへの共感を促そうという狙いがあります。
ですが、この状況で子どもたちから「子どものころどんな水遊びしてたんですか」が出てきたとなると、意味合いはだいぶ違ってくるように思えます。
なんだか、怒っているようにも、責めているようにも聞こえます。
いや、怒っているし、責めているのでしょう。
子どもたちはその後も悪態をついていましたが、だんだん内容がふざけたものになっていき、最後は笑い話になって終了しました。
「もったいない」と言いたくなる大人の気持ちはわかるつもりです。私も一応大人ですから、いろいろと子どもからは見えない(見えにくい)部分にどんな時間やお金が費やされているのか、全く知らないわけではありません。ひょっとしたら、災害時に水が無くて困った経験がある方なのかもしれません。
でも、「子ども時代」だって「もったいない」んじゃないでしょうか。子ども時代に子どもらしく過ごす事ができない。子ども時代が垂れ流されている。
それはとても「もったいない」のでは?
しかし、そんなことをお互いに言っているのではずーっとケンカです。
「だけどさ」は、すごくすごく言いたくなりますが、飲み込みます。
(これは黙ってられない!とか、相手が全然こっちのことを考えてくれる気配がない…、なんて時には、「ちょっと!」と出てしまうかもしれませんけど。)
子どもにも、大人にも、お互いのことを知ってもらう。そして、お互いのことを思ってちょっとだけでも歩み寄る。
その手伝いをするのが、子ども・大人両方と話ができる私たちの大事な役割だと思っています。
地域の皆さんに、子どもが遊ぶ姿を見守ってもらえるように、今日も挨拶。今日もおしゃべり。
20年後、
「おじさんはどんな水遊びしてたんですか?」
「してないよ」
なんて、寂しいじゃない。
(しんぞー)
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